水車亭思わず爆買い。

どこかへ旅行に行くとお土産を買ってきて周りの人に配る、というのは日本独特の文化の一つですが、幸せのお裾分けということで悪くない習慣だと思います。ただ、休暇を取ったら迷惑を掛けた職場の人に買って帰らなければいけない、というような強迫観念は褒められたものではないでしょう。休暇というのは労働者に与えられた権利なのですから、遠慮せず利用しないとお互い休みにくくなってしまうだけで、雇用者の思うつぼです。

それはさておき、先日の四万十への旅行の際にも家族に何か買って帰ろうと思ったのですが、新鮮な魚介類を買ってもクーラーボックスなどもなく炎天下の車の中に置いておくわけにいきません。さて、と思っていたところ、友人から水車亭 (みずぐるまや)の塩けんぴがお薦めだという情報をもらいました。この水車亭の看板は往きの道中でもいくつも目にしましたし、帰りには店の前を通る予定になっていたので好都合、ということでこれに決めました。

あまりのんびりもしていられず宿を7時過ぎに出発したのですが、開店は9時ということだったのでちょっと店先で待たないといけないかな、と思っていたところ、ありがたいことに8時半過ぎに到着した時にはすでに営業を開始していました。さすがに客はちょうど入れ違いで帰る人がいただけで店内はガラガラでしたが、土佐人の朝は早いのでしょうか。

目当ての塩けんぴは店先にも山積みになっていましたが、店内には様々な種類の芋けんぴその他の菓子が置かれていました。しかし、やはり一押しは塩けんぴです。これはちょっと塩味を利かせた芋けんぴなのですが、芋をカットして揚げたあと、室戸海洋深層水の入った蜜でコーティングしているのだそうです。これの他に塩味は付いていない普通の芋けんぴもあるのですが、塩けんぴの方は普通のものよりだいぶ細くカットされていて食べやすくなっています。

味の方はちょっと食べた感じではほんのり甘じょっぱい程度なのですが、しばらく食べ続けていると確かに塩辛さが口の中に残る感じがします。しかし、普通の芋けんぴだとあまり食べると甘ったるく感じてくるのですが、塩けんぴは甘さと辛さのバランスがいいのか、食べ始めると止まらないのが困りものです。

私はもともと芋けんぴ自体が好物でしたが、これが高知県の名物であるとは知りませんでした。素朴でどこにでもある菓子のようですが、塩けんぴはひとひねり効いていてまさにお土産にもってこいです。1kgのお徳用大袋を自宅に2つ、500gの袋を妻の実家と兄弟に合わせて5つ、合計4.5kgも買ってしまい、大きな手提げ袋に大人買いのようになってしまいました。しかし1kgでも税込み842円ということなので非常にお手頃で、土佐のお土産には私もお薦めしたいと思います。