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Ghost in the Shell

観ておいて良かった。

つい先日「SING」を観たときには「ゴースト・イン・ザ・シェル」について「レンタルで観ればいいやという気になってしまいました。」などと言っていた私ですが、もうすぐ上映が終わってしまうかもしれないと思うとやはり私は諦めきれず、結局先週の金曜日に仕事が終わって一旦帰宅した後、車で一時間近くも走ってイオンシネマ明石でレイトショーで観てきてしまいました。どうしてわざわざそんな遠くに、ということですが、先日も書いたように自宅近くのシネコンでは公開当初から吹き替え版のみの上映となっていて、市内にシネコンができるまで通っていた、次に近いイオンシネマ加古川では夕方の上映となっているので、字幕版にこだわるとやむを得ないわけです。しかし、わざわざ時間をかけて行った甲斐があって、期待していた以上に楽しむことができました。実は私はこれまで原作の漫画「攻殻機動隊」も、これまでに複数製作されているアニメ映画のいずれも観たことがなく、まったく予備知識がない状態で観たのですが、それはかえって良かったのでしょうか。

ストーリーは主人公である「少佐」の脳が義体と呼ばれるサイボーグの体に移植されるところから始まり、その一年後から主な物語が進行します。サイバー犯罪やテロを取り締まる「公安9課」を率いる少佐はその任務の過程で本当の自分の記憶に気づくことになり、隠されていた真実を明らかにしていく…というような感じのストーリーです。私がちょっと調べた感じでは、これまでの作品とは少佐の過去についての設定を共有していないように見えます。

この少佐を演じているのがScarlett Johanssonなので「日本人の役なのに白人が演じている」(= ホワイトウォッシュ) と言われて批判されてしまい、そのおかげなのか欧米では興行的に振るわなかったようなのですが、「なんで?」と思いますよね。少佐の名前はどう考えてもアジア系の名前ではありませんし、量産型の義体という設定なので人種なんてどうでもいいはずです。批判した人たちは実際にはこの作品を観ていないに違いありません。Scarlettという白人女優が演じていることについて私にはまったく違和感がありませんでした。Scarlettはこの批判で参ってしまって「もう二度とアジア人の役は演らない」と言ってしまっているようで、せっかくクールに演じてくれていたのに残念で仕方ありません。

また、ろくに事前情報を得ていなかった私が観る直前まで知らなかったのが、公安9課の課長である荒巻大輔をビートたけしが演じているということです。「日本語のセリフでいいなら」ということで引き受けたそうなのですが、なぜかこの荒巻だけが日本語で喋っているという不思議な映画になってしまいました。「滑舌が悪いので英語字幕を見ないとわからない」などとも言われているようですが、私にはそんなことはありませんでした。

この作品の見所の一つは舞台となっている未来都市の情景ではないかと思いますが、「ブレードランナー」の影響を色濃く受けているように思いました。あれほど暗い世界ではなく、それを現代のCG技術で実体化したような感じです。また全体的にかなりCGが活用されていて、アニメと実写の境界がどんどん曖昧になっていくのを感じます。しかし、実際には一見してCGと分かる部分は比較的難しいものではなくて、実写と区別がつかないもの、実写なのだと思ったらCGだったというようなものの方が難易度は高いのでしょうね。

ということで極力ネタバレしないように紹介したつもりなのでなんだか分からない部分もあったかもしれませんが、私の感想を一言で言うと「続きが見られないのが残念」でしょうか。ひょっとしたら少佐役を別のアジア系女優に代えて続いたりするのかもしれませんが、それではダメなような気がします。Scarlettが「やっぱりまた演る!」と言ってくれると嬉しいのですが…日本でもあまり盛り上がっていないようなので無いでしょうね。せいぜい遅ればせながら原作を読んでみることにします。

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Sing

洋楽好きの大人も。

Sofia Coppola監督の映画「ロスト・イン・トランスレーション」を観てからか、Scarlett Johanssonが出演しているとどうも気になってしまうのですが、先週公開された「ゴースト・イン・ザ・シェル」は白人のScarlettが日本人の役を演じているのが差別的だということで批判されているようです。日本人にしてみればそんなことはまったくなんとも感じないところではないかと思いますが、そのせいで興行的に失敗に終わってしまうのはとても残念なことです。私は予告を見たときからとても観たかったのですが、なぜか地元の映画館では吹き替え版のみの上映というわけのわからないことをしてくれているのでレンタルで観ればいいやという気になってしまいました。

その代わりというわけではありませんが、昨日観てきたのはScarlettがヤマアラシの少女Ashの声で出演しているアニメ作品「SING」です。もちろん、Scarlettの声を聞かなければ意味がない…というのもありますが、この作品では数々の新旧ヒット曲が歌われ、私はそれを楽しみに観るので字幕版です。この作品については映画館も頑張っていて、レイトショーのアニメ映画字幕版なので大した人数が入らないのがわかりきっているのに大きなスクリーンに割り当てられていてどういうことかと思ってしまいましたが、そのスクリーンはいい音響設備が入っているのでした。わかってるじゃないですか。

どんなストーリーの映画かといえば、賞金1000ドルのはずが10万ドルと印刷されてしまったチラシのせいで大盛況となってしまった歌のコンテストと、その出演者が巻き起こす様々なトラブルのドタバタコメディとでも言えばいいでしょうか。まあ大人が観て感動するような話ではないので、見どころはやはりコンテスト出場者の歌ではないでしょうか。

日本語吹き替え版でもMISIA、スキマスイッチの大橋卓弥、河口恭吾といった本職の歌手が参加していますが、一方で長澤まさみや山寺宏一といった人たちも歌を披露しているようで、大丈夫なのかと余計な心配をしてしまいます。まあ私が観ることはないのでまさに余計なことなのですが。

また、レッサーパンダの少女5人組のThe Q-Teezがきゃりーぱみゅぱみゅの歌を歌う日本人グループで、セリフも変な日本語でしたが、こういうところは吹き替え版ではどう処理されているのか、ちょっと気になるところです。なお、The Q-Teezはキャストが公開されておらず不明なようです。

ということでいくつか良い歌があったのでサウンドトラックも欲しくなってしまいました。特にElton JohnのI’m Still StandingをゴリラのJohnnyが歌うシーンがとても良かったです。帰宅してからElton Johnの元歌も聴いてみたところ、これもやはり名曲なのですが、Taron Egertonが歌うJohnny版のホーンが入った豪華で今風のアレンジと比べるとちょっと物足りないというか、だいぶシンプルな感じでした。ちなみに、サントラにきゃりーの曲は入っていません。

Passengers

誰が彼を責めることができようか。

今日4月1日は毎月1日の映画の日ですが、土曜日であり春休み中ということもあって各地の映画館は混み合っていることでしょう。しかし私はそんな絶好の映画日和の前日に映画「パッセンジャー」を一人で、レイトショーで観てきました。というのは、この映画は観るだろうと思っていたので少しでも安くということで前売り券をムビチケで買っていたからなのですが、地元のシネコンでは先週末の公開なのに今週から字幕版はレイトショーの1回のみの上映という酷い扱いになってしまっているのです。したがって、せっかく前売りで安く買ったつもりだったのに結局普通に当日購入した方が安かったという、残念なことになってしまいました。よほど人気がないのかもしれませんが、私自身は結構楽しむことができました。

Homestead IIという植民惑星への120年間の航海の間、乗員と乗客5000人は人工冬眠状態で過ごし、その間宇宙船Avalonは自動操縦で進みます。本来、乗客が冬眠から目覚めるのは到着の4週間前とされていますが、主人公のJim PrestonとAurora Laneの二人だけは残り90年というところで目覚めてしまい、その絶望的状況に向き合うことになります。5000人乗りの宇宙船というと、私達が乗ったLiberty of the Seasよりさらにちょっと大きいくらいになりますが、明け方に下のデッキに降りていくと誰もおらずひっそりしていたので、あの感じがずっと続くというのが近いのかもしれません。

設定上登場人物がかなり少ない作品になりますが、主役の二人を演じるのはChris PrattとJennifer Lawrenceです。Chrisはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのStar Lordやジュラシック・ワールドのOwen Gradyなど人気作品の主役でおなじみですね。一方JenniferはX-MenシリーズのMystiqueや「ハンガー・ゲーム」シリーズのKatniss Everdeenなどでも大人気ですが、実はかなりの実力派でアカデミー主演女優賞も22歳にして獲得しており、この作品でも素晴らしい表現力で魅せてくれます。そして背が高くスラッとしており、とても美しい…これはこの作品では大事な点でしょう。

そして美しいといえば、この二人が乗るAvalonという名の宇宙船のデザインもとても美しいと思います。進行方向に向かって反時計回りにゆっくりと回転しながら進む様子はとても優雅です。その中で孤独に人生を終えようとしているということを際だたせるために、その美しさもやはり重要です。これが仮に無骨で使い古されたような船であったなら、だいぶ違った印象を与えることになるのは間違いありません。

また、私は音楽もとても良かったと思います。「ウォーリー」とよく似た音楽だなあと思いながら聞いていたのですが、案の定音楽は同じくThomas Newmanの担当でした。といっても、最近のJames Bond作品など数多くの作品を手がけているので似たような曲ばかりというわけではなく、たまたまそういう曲もあったというだけのことでしょう。作業などのBGMとして流しておくとじゃまにならず良さそうです。

ところで、邦題が「パッセンジャー」なのはまだ許せますが、公式サイトなどでその邦題の下に”PASSENGER”と単数形で書かれているのは看過できません。これが単数であるか複数であるかというのは英語において非常に大きな意味の違いがありますが、そういうところを軽々しく変えてしまうというのがとても不思議です。もしかしたら2008年の同じ原題の映画「パッセンジャーズ」と区別するために安易な手を取ったのかもしれませんが、それなら英語表記まで変えて区別する必要はありませんよね。