National Treasure: Book of Secrets問題: フランス、スペイン、日本にあってアメリカに無いものは?

2008年も沢山映画を観よう!と意気込んで、最初に観ることになった映画は「ナショナル・トレジャー」の続編、「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」でした。前作が思いがけず楽しめたので、この作品は結構期待して臨んでしまったのですが…

主人公をはじめとする主な登場人物の設定は前作を引き継いでいるもののストーリー的な繋がりはほとんど無く、今回はタイトルにもあるとおりアメリカ合衆国第16代大統領Abraham Lincoln暗殺とその背景となった南北戦争で対立する双方の勢力が軍資金目的で探し求めた黄金の国に関する謎が新たなテーマとなっています。

しかしながら、私は前回

アクションシーンもありますが、基本的に謎解きの面白さを見せる映画ではないかと思います。

などと書いていますが、今回は全く逆で「謎解きもあるがアクション中心のアドベンチャー映画」というような感じで私にとってはかなり期待外れと言ってしまっていいでしょう。まあ、それなりに謎解きはあるのですが、あまりにも大胆で無理があるので現実味が乏しくなってしまっているのです。いくら何でもバッキンガムやホワイトハウスの警備がそこまで甘いことはないだろう、と。

また、前半にかなり派手なカーチェイスが繰り広げられ、銃を撃ってきたりするのですが、ここでも誰の血も流れずに済んでしまうというのはさすがディズニーの映画です。血を見るのが苦手な私にはありがたいことではありますが、これもまた非現実的に感じてしまう一因かと思います。実は大した必然性もないような気がしてしまうので、派手さを狙ってこういうシーンを追加するよりも、もっと謎仕掛けを複雑にした大人向けの映画にしてもらえたらどんなに良かったかと思いますが、興行を考えるとこうせざるを得なかったのでしょうか…

まあそれにしてもNational Treasureすなわち国宝というのが黄金とはいかにも即物的なアメリカらしいところですが、独立から240年ほどと歴史の浅い国にとっては仕方のないことなのでしょうか。世界唯一の超大国となったアメリカもこればっかりは力ずくではどうにもなりませんからね…まあ私自身は南北戦争についてもほとんど知識がなく、短いアメリカの歴史もサッパリだったので偉そうなことは言えないわけですが。

どうもネガティブな感想ばかりになってしまいましたが、主演のNicolas Cageはコミカルな演技もシリアスなシーンもさすがに上手いですし、ヒロインのDiane Krugerはやっぱり綺麗で、その他Helen Mirrenら助演俳優もいずれも素晴らしく、役者で持っているようなところがあるかもしれません。こんな大俳優らがこういう娯楽作品に出るなんて…と思わないでもありませんが、まあつまらなかったというわけではありませんので、前作が好きだという人はあまり期待せずに観れば楽しめるかもしれません。

こたえ: 「歴史」…ではなく「ン」