魚河岸丸天 わいわい丼ほとんど車に乗っていたような。

例年、我が家では正月とお盆の連休に東京の実家に帰省するのが習慣になっていますが、今年は長男も次男も学校の部活動や補習などで夏休みといえどほとんど拘束されていて、連休となっているのが8月13日から15日の3日間だけでした。私も13日からの1週間は勤務先の休暇となっていたのですが、帰省するならこの3日しかないということ、そして家族で旅行できるのもこの時しかない、ということで、ただ帰省するのではなく小旅行を兼ねて、野沢温泉に一泊してから実家へ行き、そして一泊したらまた自宅に戻るという忙しいスケジュールとなりました。
海鮮アトム あじ二種添え
関西から野沢温泉へは南側から松本、長野を通って行くのが一般的なルートかと思いますが、お盆まっただ中ということで京都や名古屋といった大都市を通過するのは避け、今回は北陸自動車道を利用して日本海沿いに北上し、北側から野沢温泉へと入ることにしました。そうすると、朝8時前に自宅を出ると昼食時には福井市付近を通過することになるので、ここで一旦高速を降りて海鮮アトムに寄り、寿司を食べることにしました。同じ回転寿司でも我が家の辺で食べるものとは一味も二味も違うのですが、今回はなぜかコンベアの上にはまったく寿司が流れておらず、店員さんが注文を受けて握るのに手一杯ということでひと皿ごとに何分も待つことになってしまって子どもたちの受けは良くありませんでした。味はとても良かったのですが残念です。

野沢温泉を選んだのはちょっと涼しい山の中の温泉でのんびりして、旅館で美味しい料理でも食べようということだったのですが、そう決めたのが出発の2週間前だったのでそれほど選択肢もない中で、運良く空きのあった常盤屋さんに今回泊まってみることにしました。温泉街に入ってみると町全体に硫黄の匂いが漂っていて、ちょっと気分が盛り上がります。

この常盤屋さんの名物は千人風呂という光明皇后ゆかりの伝説を持つ湯です。もちろん私達も浸かってみましたが、程よい温度の、硫黄泉特有のぬめりのある湯でしっかりと温まることができました。冬だったらもっと気持ちいいことでしょう。
常盤屋 地物花ズッキーニの天ぷら
また、野沢温泉といえば町中に点在する外湯ですが、常盤屋さんの目の前にある大湯に行ってみました。利用料は賽銭箱に気持ちだけ、ということなのでちょっとだけ入れて入ってみると、いきなり脱衣場と浴槽です。2つある浴槽のうち1つにだけ何人もの人が入っていてもう片方は空なので何かと思うと、そちらは「あつ湯」とのことで、確かに湯の温度は相当高温でした。熱めの湯が好きな私でもさすがにこれには入れないのでぬる湯に入ってみましたが、こちらも決してぬるくはなく十分でした。

夕食は常盤屋さんの「美雪豚の温泉しゃぶしゃぶ会席」というコースをいただいたのですが、どの品もとても美味しく、家族も皆満足してくれたようです。ちなみに満場一致で一番良かったというのが前菜で最初に出てきた「地物花ズッキーニの天ぷら」というズッキーニを花ごと天ぷらにしたもので、この花の部分が非常にサクサクとしていて甘みがあり、初めて食べて感動的でした。ぜひもう一度食べたい一品でしたが、今後また出会うことができるでしょうか。
野沢温泉 朝市
翌朝は毎週日曜日の朝6時から7時半の間だけ開催しているという朝市が旅館の目の前の通りで行われるというので、家族のうち長男を除く早起き3人で覗いてみました。地元の特産品などが売られているので、コロッケをつまみながら土産用の饅頭や野菜を買ってブラブラと歩いて楽しみ、朝食前の良い散歩となりました。

この日は長男が「アウトレットで服を買いたい」と言うので軽井沢へ向かい、軽井沢プリンスショッピングプラザでちょっとだけ買い物となりました。軽井沢駅付近の渋滞がひどく、軽井沢町内に入ってから車を停めるまでに一時間ほどかかってしまったのではないかと思いますが、車を降りてみると20度ほどしかない気温はひんやりするほどの涼しさで、とても快適でした。
おぎのや 峠の釜めし
軽井沢から東京へはすでに高速道路が開通していますが、あえて懐かしの碓氷バイパスを通り、横川駅付近のおぎのやへ寄って峠の釜めしを30年以上ぶりに食べてみました。私の記憶にある通りのものでしたが、上信越自動車道に加えて北陸新幹線も開通して信越本線の横川-軽井沢間が廃止されてしまった今、経営は楽な状況ではないでしょうね。

この後東京まではUターンラッシュにもろにぶつかり、関越自動車道は大渋滞だったので北関東自動車道経由で東北自動車道に迂回したのですが、結局こちらもスイスイというわけには行かず、そこそこの渋滞に捕まってしまいました。ただ、家族が渋滞の間ほとんど寝てくれていたので、むしろそれで助かりましたし、恐れていたほどの時間はかからず夕食の時間に間に合ったので良かったです。

実家では一泊だけして、たまたま入院していた父を見舞ってまたすぐに帰るのですが、ただ戻るだけでは面白く無いので沼津で海の幸を味わって…と思ったのはちょっと間違いでした。沼津は東京に近すぎて、関東からの日帰り観光客でごった返しているのでした。沼津港付近は魚が売られていたり海鮮を食べさせる店がいくつもあって観光地化されているのですが、車を停めるにはそれほど時間がかからなかったものの、2時を過ぎているというのに料理店の前には行列ができています。
魚河岸丸天 わいわい丼
目指したのは魚河岸丸天という店で、「行列の割には待ち時間は短い」というレビューを信じて待つこと小一時間、ありついたのが「魚河岸わいわい丼」ですが、まさしく待った甲斐のある一品でした。新鮮な魚介がたっぷり乗った丼ですが、中でも中央に盛られたマグロのぶつ切りがとても濃厚で、周りを囲む生シラス、生桜エビは甘みがあり、イクラもたっぷりのっていて大満足です。

そしてようやく帰路につくのですが、初めて運転してなるほど走りやすいと思った新東名高速道路でも間もなくトンネル内の事故で1時間以上渋滞に捕まってしまい、結局自宅に到着したのは夜中の11時、長い一日となってしまいました。しかしながら安定していて運転の楽なMINIのおかげで、同乗の家族はともかく運転していた私自身はほとんど疲れを感じず、3日で1500km程を走る強行軍も楽々でした。